高血圧を手術で治す

現在の高血圧の治療は薬頼み

現在、高血圧の治療というと、薬剤による治療が主である。

血管を広げるなどの効果を持つ降圧剤などを数種類組み合わせるが、
薬が効いている間、血圧が下がるだけで、根本的な治療法ではない。

そのため、投薬期間も長くなっている。

日本で「最も薬剤費が高い」とされている高血圧性疾患は、2005 年で 8,571 億円にも
上り、その患者数も国内で百万人を越えると言われている。

65歳以上の高齢者では、医療費のいちばん多くの32.6%を占めているのが、
高血圧とその結果である病気(高血圧・虚血性心疾患・脳血管疾患等)の
治療費である。(厚生労働省「日本人と高血圧」



高血圧のメカニズム

血圧は、脳と腎臓近辺を結ぶ交感神経を通る信号の量によってコントロール
されている。
何らかの理由でこのコントロールがしにくくなっている状態が高血圧である。


高血圧を手術で治す

そこで、オーストラリアの研究チームが開発したのが、カテーテルを
腎臓近辺に入れ、上述の交感神経を焼き切る、という治療方法。

「薬が効かない難治性の高血圧の男性患者に腎臓の近くの交感神経を一部、
切断する手術を行い、高いときには250近くあった血圧の上の値を正常値の
130前後にまで下げることに兵庫医科大学のグループが成功しました。」
(NHKニュース「“難治性の高血圧を正常値に”」

国内初のケースと見られているが、長年、心筋梗塞や脳梗塞に怯えながら
闘病生活を続けておられる高血圧患者の皆様の福音になればと
願ってやみません。